[セ 序盤戦振り返り]Gの大型補強が機能せず、鯉&虎の2強体制か!?

開幕から交流戦開始前までの約2カ月、シーズンの約3分の1を終えてセ・リーグの首位に立ったのは昨季王者のカープだった。

開幕直後の10連勝から、2度の同一カード3連敗など揺り戻しがあったが、対ジャイアンツに10勝1敗と無類の強さを見せ、ここまで29勝19敗1分けで2位・タイガースと1ゲーム差の首位。昨季の同時期(29勝13敗1分け)を上回る成績で交流戦に向かうことになった。原動力はリーグNo.1のチーム打率.278&44本塁打の打線。リーグトップの37盗塁も記録して持ち前の機動力も駆使しながら勝ち星を重ねた。特に新4番の鈴木誠也が打率.326、9本塁打、39打点でいずれもリーグトップ5入り。加えて、エルドレッドが打率.312にリーグ最多の13本塁打と好調を維持し、規定打席に到達して首位打者に躍り出た安部友裕といった新星も活躍している。

2位のタイガースは、チーム防御率がリーグ唯一の2点台(2.86)。メッセンジャーの奮闘に加えて、秋山拓巳の“復活”が頼もしい。何より、リーグ断トツの17セーブを挙げて防御率1.64の守護神・ドリス、その前を投げる防御率1.80のマテオの救援コンビの働きが非常に大きい。打線では、福留孝介、鳥谷敬のベテランコンビに、FA新加入の糸井嘉男もスランプがありながらも多くの勝利に貢献。ファンの不安を吹き飛ばす形で27勝19敗の貯金8で開幕2カ月を終えた。

3位のジャイアンツはカープ戦での連敗が響いて23勝24敗の借金1。エース・菅野智之、新たな左腕エースの田口麗斗は好投を続けているが、打線がリーグワーストのチーム打率.237でチーム本塁打数も28本と平凡。オフの大型補強が機能せず、首位・カープから5.5ゲーム差、2位・タイガースと4.5ゲーム差。このままだと“2強”と呼ばれてもおかしくない。

Bクラスのチームを見ると、ベイスターズは筒香嘉智、スワローズは山田哲人のWBC組の出遅れが響いた。同時に、この2人をカバーできるチーム力がなかったとも言える。だが、両チームともに徐々に調子は上向き。最下位のドラゴンズも一時は借金を12まで増やしたが、ルーキー・京田陽太の活躍にビシエド、ゲレーロの助っ人砲も底からは抜け出した感がる。1位から6位まで9ゲーム差の“混セ”の中にあり、今後の順位変動もまだまだありそうだ。