今年で13年目を迎えるセ・パ交流戦。昨年はパ・リーグの60勝に対してセ・リーグが47勝(1分け)。過去12年を振り返っても、パ・リーグが実に11度に渡って勝ち越している。
注目はWBC組の面々だ。中田翔と筒香嘉智の4番対決を筆頭に、菅野智之と則本昂大のエース対決など、小久保ジャパンとして同じユニフォームを着て戦った男たちの直接対決に注目が集まる。その他にも、カープの安部友裕やホークスの上林誠知などの売り出し中の男たちが、交流戦でどのような働きを見せるか。ルーキーながらレギュラーとして活躍を続ける源田壮亮(ライオンズ)、京田陽太(ドラゴンズ)に加え、プロ初勝利を挙げた山岡泰輔(バファローズ)、近々の先発登板が予想される柳裕也(ドラゴンズ)のピッチングにも注目したい。
勝負のカギはDH制にあるだろう。セ・リーグのチームにとっては、攻撃力アップは間違いないのだが、過去の戦いではうまく活用し切れていない。反対にセ・リーグの投手陣が、切れ目のないパ・リーグの打線の圧力に屈して連打を浴びるケースが目立つ。DH制を用いないセ・リーグの本拠地開催の場合でも、9番に投手が入った打線を前にパ・リーグの投手陣に精神的に余裕が生まれ、普段以上に思い切った投球をできる。もちろん他にも要素はあるが、毎年パ・リーグ勢の破壊力の前に屈してきたセ・リーグ勢にとっては、まずはこのDH制を使いこなしたい。
制度面の是非はあるが、幾度かの制度変革の末、昨年から3回戦総当たりの18試合制になった。そこで生まれるのが、各チームによって移動距離を含めた“環境差”である。今年でいえば、京セラドームで戦うバファローズ戦が実質本拠地となり、移動が千葉、福岡のみの阪神が有利だろう。
シーズンの流れが大きく変わる18試合。同一リーグのチームが全勝する可能性がある一方で、自分たちだけが勝利して一気に差を付けられる可能性もある。そして、その逆もしかり。出遅れたチームも一気に巻き返すことも可能だ。意地とプライドをかけた戦い。セ・リーグの巻き返しはあるのか。新たなヒーローの出現と起死回生のドラマに期待したい。