T・復調の兆し、F・3ゲーム差まで迫る

 関東地方にも梅雨明けが発表され、猛暑日が続いた中、ハツラツとしたプレーで球場を沸かせたのは若虎たちだった。
 7月24日に667試合連続フルイニング出場の続いていた鳥谷敬をスタメンから外して、22歳の北条史也がスタメン出場。すると、この日を境にタイガースは4連勝。北条自身も、30日、31日のドラゴンズ戦で2試合連続のタイムリーを放つなど、連日に渡ってアピールを続けた。さらに1年目ながらほぼ全試合先発出場を続けて来た高山俊が、30日に待望の甲子園第1号本塁打をライトスタンドに突き刺した。7月は月間打率.366と調子を上げてきただけに、8月も期待したいところだ。
 そして、チーム最年長の福留孝介も若手に負けていない存在感を示した。30日のドラゴンズ戦でプロ野球史上69度目のサイクルヒットをマーク。自身2度目の偉業は、39歳3か月で最年長記録での達成となった。ベテランと若手の力が再び噛み合い始めたタイガースの巻き返しに注目だ。
 一方、先週1勝もできなかったのがスワローズだった。今季は失点の多さが目立っていたが、先週は6試合中2試合が完封負けで、2試合が1得点のみという深刻な得点力不足に泣いた。昨季の優勝の原動力となった強力打線を引っ張る山田哲人も厳しいマークにあって、最近5試合は15打数1安打と仕事をさせてもらえなかった。2014年の最下位から下克上で優勝を成し遂げたが、このまま不調が続けて再び最下位転落の危険性は大きくなる。

 対するパ・リーグは、優勝争いが熾烈を極めている。ゲーム差4で迎えた29日からのファイターズ対ホークスの首位決戦。初戦はホークス打線が今季好調の有原航平を攻略して勝利を抑える。しかし第2戦をファイターズが勝利すると、第3戦は不振が続いていた中田翔、陽岱鋼にタイムリーが出て逆転勝利を収めた。大谷翔平は依然として指のマメの影響から投手での出場を見合わせているが、野手として3試合連続のスタメン出場で2本のホームランを放つ活躍を見せた。
 そして今週末にも、再び注目のパ・リーグ首位攻防戦が、今度はヤフオクドームで行われる。6月までの1試合平均4.88得点(72試合351得点)から7月は1試合平均2.86得点(22試合63得点)と一気に攻撃力が落ちたホークス打線が、8月に入って本拠地で爆発するのか。それとも前カードで結果を出したファイターズの主軸が再び快音を響かせるのか。両チームの打線が大きなカギを握る。
 一方のセ・リーグでは、ベイスターズに注目だ。昨季は7月に9勝13敗と負け越して失速したが、今季は14勝10敗と勝ち越して、初のクライマックスシリーズ進出の可能性を膨らませた。7月に月間16本塁打と大爆発した筒香嘉智が、8月も引き続きの好調を維持できるか。現在99試合を終えて32本塁打。このペースでいくとシーズン46本塁打となる。
50本の大台へ、まずは8月の第1週での快音連発を期待したい。