計30試合が行われた先週のプロ野球。開幕直後の慌ただしさもひと息ついたが、その中で再びアクセルを踏んだ選手、勢いを増した球団はどこだったのだろうか。
ジャイアンツは大型連休中に2勝9敗と大きく負け越して順位を落としたが、先週は4勝0敗と巻き返して首位を再び奪還した。特にスワローズ戦の戦いは見事で、特に坂本勇人が、3連戦の初戦に放った逆転サヨナラタイムリーを筆頭に、得点に繋がる勝負強さが光、先週の週間打率.429と絶好調。新たなリーダーとしてチームを引っ張った。
最下位からの脱出はまだ先だが、ベイスターズは3勝2敗1分の成績で調子が上向き。3カード連続の勝ち越しを決め、首位とのゲーム差は6.5。まだまだ勝負はこれからだ。その原動力となったのは、先週の週間打率.385だった倉本寿彦だ。4月後半に打率3割を超えると、5月に入って6試合連続マルチ安打を放つ活躍を見せた。
一方のパ・リーグは、出遅れていた感のある3位のファイターズが、徐々に首位に迫ってきた。10日、11日の2試合で、打線が計5本塁打を放つと、13日の本拠地・札幌ドームでは逆転サヨナラ勝ち。翌14日も勝利して今季初の4連勝を決めた。その立役者に挙げられるのは近藤健介だろう。現在、打率.226と苦しいシーズンを送っているが、4連勝期間中は打率.353と中軸として十分な働きを披露した。何よりサヨナラ勝ちを決めたひと振りの価値は絶大だった。大谷翔平に白星が付かないジレンマを抱えながらも、首位追撃態勢を整えている。
上昇気流に乗り始めたファイターズに対して、ライオンズは誤算続き。先週は投打の歯車が全く噛み合わず、4位から一気に6位まで沈んだ。イーグルスとのBクラス同士の戦いに連敗すると、次のカードでは4失策、3失策とミス続き。唯一、中村剛也に本塁打が出始めたことが明るい材料だが、ともにリーグワーストの失策数&失点数を減らさなければ浮上はないだろう。
今週は、両リーグともに首位追撃に燃えるチームに注目したい。セ・リーグ2位のドラゴンズは、週末にナゴヤドームで首位・ジャイアンツを迎え撃つ。交流戦開始前に、一気に差を詰めたいところだ。その前には甲子園でのタイガース戦があるだけに、今週はハードな1週間になりそうだ。パ・リーグ2位のマリーンズは今週、6位ライオンズと5位バファローズと対戦する。ホークスの独走を許さないためにも、白星先行で波に乗りたい。