D高橋周が約1ヵ月半ぶりの4号弾!

 7月14日のヤクルト戦に「7番・三塁手」で先発出場したドラゴンズ・高橋周平に、久々の一発が飛び出した。

 

 2回、2死から平田の安打で巡ってきた第1打席。スワローズの先発・小川泰弘が投じたスライダーに体勢は泳がされたものの、しっかりと振り抜いた打球は高く舞い上がりそのままライトスタンドの最前列へ。5月28日のホークス戦以来、約1カ月半ぶりとなる4号先制2ランで敵軍のエースを相手に主導権を引き込んだ。さらに4回、無死満塁の場面では押し出しの四球を選んで加点すると、5回、1死2、3塁ではレフト前へタイムリー。この試合だけで4打点を挙げる3安打猛打賞で勝利に導いた。

 

 この試合の活躍を予感させるものは同12日のカープ戦にあった。大瀬良から第2打席に放ったライトフェンス直撃の2塁打。同4日の1軍昇格後で初の快音を響かす安打は高橋周らしい強烈な一打だった。この安打は高橋周なりの“変化”による工夫が奏功したという。「間の取りかたというか、自分の感覚なんですけど。自分の中で少し変えたことで良くなった」と、24打席で結果が出ないことを踏まえての試行錯誤が実を結んでいた。しかし、3安打4打点の大活躍にも高橋周自身は満足感を口にすることはなかった。

 

「(結果が出ていない間も)なんとかしてやろうという気持ちでずっとやってきた。でも、今日だけじゃないんで」

 

 高橋周に最も期待することといえば、やはり一発でチームに流れを呼び込む本塁打だろう。それはこのチームに不足している弱点でもあり、現有戦力の中で解消できる数少ない存在だ。結果に一喜一憂せず高みを目指す左の和製長距離砲が後半戦で巻き返すキーマンになることは間違いなさそうだ。

 

文:高橋 健二