ジャイアンツの将来を担う有望な投手がすばらしい結果を残してくれた。
4月11日に東京ドームで行われたジャイアンツ対スワローズ2回戦で、プロ初先発の田口麗斗が、7回1失点でプロ初勝利。ジャイアンツで10代の投手が初登板初勝利を飾るのは、史上7人目の快挙を成し遂げたのだ。
この試合では、最大の武器であるスライダーが冴え渡った印象。やや頼りすぎの印象はあったが、5奪三振のうち、4個がスライダーで空振りに切って取ったもの。また、原監督や斎藤投手コーチが揃って絶賛したのが、無四球だったことだ。實松の献身的なリードも光ったが、物怖じせず内角をついての無四球はかなり価値があるだろう。さらにこの日は、バッティングでも自ら決勝点を叩き出すなど、いいこと尽くめの一日となった。試合後は「自分らしいピッチングができました」と振り返った田口。「与えられたチャンスで結果が出せるように頑張りたい」と勝利の余韻に浸りながらも、次なる戦いへ目を向けていた。
高校時代は、イーグルスで活躍する松井祐樹と並ぶ逸材と注目され、「東の松井、西の田口」と呼ばれていた。昨季は、2軍で7試合の登板に終わったが防御率1.75と素質の高さは見せて。昨年11月にはU-21侍ジャパンの代表にも選出。今季も2軍で3試合に先発し2勝0敗、防御率0.44と好調ぶりをアピール。斎藤投手コーチも結果を出している若武者に期待し、原監督に先発を打診したという。
試合後、原監督は「驚いた。力みもなくいいピッチングだった。いいスタートを切れたと思う」と語り、次回の登板にも期待を寄せた。斎藤投手コーチも、「ストレートもいい、スライダーもいい、今日は満点じゃない」と笑顔を見せ、「もちろん、次もあるでしょう」と言い残し球場を後にした。
内海がケガで離脱し、大竹が不調で2軍にいるなど、ジャイアンツの先発ローテーションは厳しい状態が続いている。そんなときに現れた若き力。初登板から2連勝中の高木勇とともに、チームに勢いを与えてほしい。
文:松野 友克