虎若手陣の中継ぎサバイバル

 上位争いを続けるタイガースだが、僅差の試合を福原、呉昇桓の勝ちパターンのリレーでモノにする反面、序盤にビハインドを背負うと2番手投手が持ち堪えられず大量失点を喫してしまうという弱点が解消されていない。その結果、順位は首位ながら得失点差は−82(8月21日試合前時点)。8月18日のジャイアンツ戦では、先発・メッセンジャーが崩れると3番手の金田が1イニング3四球と乱れ3失点。19日の試合でも先発・能見が逆転を許すと歳内、山本が踏ん張れず球団史上ワーストとなる1イニング12失点という不名誉な記録を作ってしまった。

 

 一方、同18日に鳴尾浜で行われたホークスとの2軍戦では、4回2失点の先発・サンティアゴの後を受けた島本が3者連続三振でアピールすると、6回以降も鶴、松田、藤原、二神がノーヒットリレー。許したランナーは四球による1人だけ。そのランナーも塁上で刺して、5イニングの攻撃を15人で終わらせた。久保ファーム投手コーチも「いかなる場合においてもチャンスを待つという意味では良かった。上のピッチャーが谷底に落ちてくるのを待っている状態」と中継ぎ陣の好投に手応えを感じていた。

 

 この2日間(19、20日)だけで金田、歳内、山本が降格し石崎、筒井、二神が昇格。中継ぎ陣が固定出来ない現状は2軍の投手にとっては大きなチャンス。優勝を勝ち取るためには実績あるベテランに加えて若手のプラスαの力が必要だ。

 

文:小中翔太