7月21日のヤフオクドームは、レフト側のビジター席を除いてスタンドが黄色一色に染まった。ホークス恒例の「鷹の祭典」の福岡初日だ。
来場者全員に、選手が着用するユニフォームのレプリカを配布する「鷹の祭典」は、2006年に始まり、今年でちょうど10年目。しかし、その2年前の2004年、福岡ダイエー時代にホーム用ユニフォームのレプリカユニフォームを配布したイベントが源流だ。翌年にはビジター用の黒ユニフォームを配布し、福岡ソフトバンクとなった2006年から「鷹の祭典」として開催されている。
今ではプロ野球のほとんどの球団が追随し、同じように来場者にレプリカユニフォームを配布するイベントを行っているが、その元祖は「鷹の祭典」であり、東京、大阪、北九州を含む8試合という開催規模は他球団を圧倒している。また福岡市内の銀行や公共交通機関、タクシー会社などにもレプリカユニフォームを配布し、街をあげて祭典ムードを盛り上げているのも、他球団にはない大きな特徴だ。
さらに「鷹の祭典」でのホークスは圧倒的に強い。2006年からの「鷹の祭典」での戦績は24勝9敗。実に7割2分という高い勝率を誇っているのだ。今年は北九州での試合が中止となったが、東京、大阪、福岡初日と3連勝している。
ライオンズ時代に「鷹の祭典」で対戦し、3連敗した経験をもつ細川享は「球場の雰囲気に圧倒されて勝つ気がしなかった」と語る。また、移籍後「鷹の祭典」では3割7分を超える打率を残す内川聖一も「ボクたちでもチケットを取るのが大変(笑)。とにかくファンとの一体感は特別なものだし、こういう試合では誰もがヒーローになりたいと思ってプレーする。それが強さの要因だと思う」という。
今年の「鷹の祭典」のテーマカラーは「熱男レボリューションイエロー」。ここまで首位をひた走るホークスは、イエロー旋風でますます勢いを増すかもしれない。
文:藤浦 一都