助っ人右腕が欲しかったウイニングボールを手に最高の笑顔を見せた。5月28日に東京ドームで行われたジャイアンツ対ライオンズの3回戦で、先発したマイコラスが8回123球、被安打5、奪三振10、無失点の好投。6試合目の登板でようやく来日初勝利を挙げた。
この日は、150キロを超えるストレートのキレも抜群で、スライダー、カーブなどの変化球も丁寧に低めにコントロール。緩急を付けた本来の投球でライオンズ打線に的を絞らせなかった。
結果が出ず、外国人枠の問題もあり一度は2軍落ちも経験した。同じ助っ人のポレダが、5勝を挙げる活躍に焦りもあったかもしれない。5月21日のタイガース戦(甲子園)では、7回0/3を投げ2安打に抑えながら交代を命じられ、その後救援陣が崩れ初白星を逃すということも経験。「野球なので(交代が)裏目に出ることもある」と、悲観的な様子は見せず、「自信を持ち直した、このままやりたい」と気持ちを切り替えていた。この自信が、初白星を呼び込んだと言ってもいいだろう。初のお立ち台で「コーチや監督から助言をもらい、自分に対する自信を失わないようにと思っていました」とコメントしたことからも裏付けられる。
原監督は「日本の野球の厳しさを肌で感じ、苦しんだ時間もあると思う。でも自分のピッチングをすればいい結果が出ることがわかるなど、課題をクリアしつつある」と、ようやく結果が出た助っ人を称賛。「(この勝利は)チームにとっても、本人にとっても大きい」とコメントを残した。
マイコラスの勝利で、これまで先発した7人全員が白星を挙げたことになる。また、セ・リーグの投手勝利数ランキングでは、上位5人中4人をジャイアンツ投手陣が独占。さらに、2軍で調整中の内海も1軍昇格へ向け状態を上げてきている。しばらくは菅野、高木勇、杉内、ポレダ、大竹、マイコラスでローテーションは固定されそうだが、先発枠争いが熾烈を極めることは間違いない。投手陣が盤石な態勢に入るつつあるのは、リーグ4連覇へ向け非常に明るい材料だろう。
文:松野友克