ホークス・松坂、右肩違和感でノースロー調整へ

 4月2日、選手が続々と球場入りするころ、通路は多くの報道陣でざわついていた。

 

 インフルエンザで別調整となっていた松坂大輔がヤフオクドームを訪れ、工藤監督に経過を報告するという知らせが入ったからだ。監督との会談を終えた松坂からは、衝撃的な話が飛び出した。右肩の疲労からくる違和感で、しばらくノースロー調整を続けるとの内容だった。 具体的に筋肉の炎症などの症状があるわけではないが「医者やトレーナーと相談して決めた。チームには申し訳ないという言葉しかない」と語った。

 

 松坂と話をした工藤監督は、全体練習後に報道陣に次のように答えた。

 

「肩が思わしくないということなので、話を聞いた。インフルエンザの後にピッチングをしたことが原因かどうかはわからないが、自分の中でそういう自覚がある以上、無理に投げさせるわけにはいかないので、しばらくノースローで様子を見よう、ということ。いつ投げられるかは、経過次第。彼の中での嫌な感じがいつ取れるのか、その感覚は本人にしかわからないからね」

 

 4月中旬と思われていた1軍登板も白紙。現時点では投げ始める時期も不明で、実戦復帰はかなり遅くなりそうだ。工藤監督も「投手にとって肩は生命線だから」と、あくまでも慎重に今後の様子を見守る姿勢だ。

 

 もう一人の新加入投手・バンデンハークは、3月30日に2軍戦で好投を見せたものの、外国人枠の関係ですぐに1軍昇格はできない。投げられない怪物と、投げられるが1軍に呼べない強力助っ人。工藤監督の胸にはもどかしさでいっぱいに違いない。

 

文:藤浦 一都