2017年6月1日(木)、小雨まじりの中、30分遅れの試合開始となったKoboパーク宮城は、イーグルスファンの期待と熱気に包まれていた。前回登板で野茂英雄氏が持つ6試合連続2ケタ奪三振の日本プロ野球記録に並んだ則本昂大投手が、日本新記録達成をかけて先発マウンドへ。全国のプロ野球ファンの熱視線が、仙台のマウンドに集まった。

　ファンの期待をグランドの選手たちに伝えたい球団は、「Ｋ」を表記した則本投手バージョンの応援ボードを緊急企画し、来場者全員にプレゼント。スポーツ観戦での配布物は、予め日程を定めたイベントデー当日に合わせて時間を掛けて制作することが一般的だが、則本投手の前回登板の結果を受けてのスピード制作は、スポーツ興行において画期的な試みでもあった。

（「K」を表記した応援ボード、裏面はベースボール・タイムズが制作協力）

　球団からの粋なプレゼントに、ファンの応援ボルテージは自然と上がっていく。そして「Ｋ」の応援ボードに後押しされた則本投手は、8回表に巨人・坂本勇人からこの日10個目の三振を奪い、見事に7試合連続2ケタ奪三振の日本新記録を達成！2017年6月1日、球場全体が一体となった仙台の夜は、則本投手、チーム、そしてファンにとって、忘れられない記念日となったであろう。