【CPBL情報】アジアウインターリーグの注目新人!王威晨、二度寝のおかげで連続安打!

 

 

 

 

 

 

 

CPBLは2017年のアジアウインターリーグ(AWB)の開幕戦を、5対3でNPBイースタンに逆転勝利し、印象深い試合となった。その中で、中信兄弟の王威晨が勝利打点で主役を担い、更に9回裏の見事な守備で、走者を阻止した。開幕戦のMVP選手としてスポットライトを浴びただけではなく、AWBの最後まで好調を保った 。

取材/李艾純 写真/羅紹文 翻訳/黄意婷

 

 王威晨は2017年のAWBで、19試合に出場し、打率.397、27安打という成績を残し注目を集めた。無安打の試合は1試合のみで、16試合連続安打という記録を打ち立て、決勝ラウンド前の最終試合で再度勝利打点をあげた。そのおかげで、CPBLは最終試合を1点差の勝利で収め、9試合連続無敗記録を作った。今回のAWBでの絶好調について王威晨はその理由については「考え方」にあると語った。「AWBのような試合は国際試合だと思ってプレーしてきました。将来、国際試合に出たら日本や韓国のチームと対戦するので、心を強くしていこうと、頑張っています。あと、AWBが終わってすぐチームのスプリングキャンプなので、この調子を維持できたらいいと思いますね。」

 

我慢の後やっと一軍へ 先頭打者で大活躍

 

 

 

 

 

 

 2016年に初めてウインターリーグに参加した時は13試合、打率わずか.160の成績に対して、雲泥の差だ。そのことを思い出すと、王威晨が恥ずかしそうに、「去年は本当に成績が悪かったですね。だから、リベンジのためにも、もう一度ウインターリーグに参加しました。今年のシーズン中から一軍にいて、自分の調子を調整することができるようになりましたから。」と語った。

 王威晨は2015年シーズン中のドラフトで、13巡目として中信兄弟に入団。翌年もほとんどは二軍にいて、一軍での試合はわずか6試合だけだった。プロ初安打は3塁打だったが、12打数で5三振を喫した。2016年にもAWBに参加して自分を磨こうとしたが、2017年シーズンはやはり二軍スタートだった。同じ年に入団し、一軍で活躍している曾陶鎔、呉東融に対して、8月末までほとんど二軍にいることについては、じっとしてはいられなかった。しかし、一軍に上がったら、すぐチャンスを掴み、ベンチからスターティングメンバーになった。更に、トップバッターとしてチームの攻撃に火をつけ、一試合6打点の球団タイ記録も残した。2017年シーズン、28試合100打数28安打、打率.280という成績を作り、プレーオフと台湾シリーズの洗礼を受けた王威晨は、もう考えのない新人選手ではない。

 

 

 

 

 

 

 


プロの新人には 疲れたと言う権利がない

 

 「一昨年の1年間、一軍でプレーしている時でさえ自身の調子を調整するやり方がわからず、試合の状況に合わせて都度対応をしていた。そのため、事前に何が起こるかを想定して準備ができていなかったため、試合中にその場面になった時にはまったく対応ができませんでした。」シーズン中の様々な状況が把握できるようになった王威晨は、台湾シリーズの後でも休まず、AWBに参加予定のチームメイトとコーチと屏東にある練習場でトレーニングし、AWBに出た。つまり、2016年の年末から、長い休みをとっていないということだ。

 疲れているかどうかと聞かれたら、「疲れる? 26歳はまだ若いから、疲れるんだったら、プロを辞めたほうがいいかもね。疲れていても、回復の方法を探しますが、疲れたと言ってはいけませんね」と豪快に答えた。プロ選手にとって、健康な体があればいいパフォーマンスができるため、自分の体を大切にするのが一番大事なことだと思っている。忙しい日々の中で、体と心のバランスを取ることも重要視している王威晨は、「今日痛いと感じたら、明日までに治すことが、選手の仕事の一つです。たとえば、トレーナーに治してもらったり、ストレッチしたりすることです。自分のことを深く知る事で、体の調子をコントロールすることができ、いいパフォーマンスを見せられると思います。」と体調管理の感想について述べた。体の疲れはトレーナーに任せることに対して、心の疲れはバラエティ番組と、毎日起きた後の反省時間で癒やすそうだ。

 

チームメイトに安定感を褒められた そのコツは二度寝

 

 「AWBの途中、曾陶鎔が僕に話しかけて、『君のこと、すごいなと思った』と。僕は、いきなりどうした? と聞いたら、僕たちは同じ学年だから、高校時代からずっとお互いの成長を見てきて、どうやって調子を維持するか気になるからです。僕は、それが自分の一番の目標だと答えました。」王威晨の信念の中で、安定感を持つことが、プロ選手としていつも向き合わなければならないことだ。勝負したいという強い意志を出さないと、長いシーズンを闘志満々に戦うことができないと思っている。また、それと同時に自分の闘志がチームメイトにも伝わり、チームとして戦うこともできると信じている。

 しかし、勝負したいという気持ちが弱いと元気がなくなり、強すぎると威圧的になるため、ちょうどよくコントロールすることには、自分なりのコツを持っているそうだ。「よく疲れるかどうか、またはどう調子を調整するか聞かれますが、疲れないコツは二度寝にあると思います。目が覚めた後の、ベッドにいる間、体がもっと休めるだけじゃなくて、心も癒やされますね。実は、休みの日に、好きな時間まで寝るのが大好きで、目が覚めてから、自己反省をして、その日の予定を考えることも好きです。」再び寝てしまうことも時々あるが、また目を覚まして、自己反省をするそうだ。恥ずかしそうに笑いながら、王威晨は自分はギリギリまでベッドにいるタイプで、布団の中で、その日の前に進むパワーがもらえると言った。

 

 

 

 

 

 

打撃部門賞より ゴールデン・グラブを獲得したい

 

 去年のシーズンからAWBにわたり、その優れた才能は目立つようになったが、王威晨は自分にはまだ満足していないことがある。「ホームランがなかなか打てないんですよ。シーズン中からAWBまで、一本もありませんね。フェンスに当たったことはあります。まあ、5回程度ですね。やっぱり運が足りなかったんでしょうね。」守備の面では、弱点とは言えないが、打撃の方に特徴があり結果を残せてるため、守備が弱いと思われがちだ。自分のプロ生活はまだ始まったばかり。これからもどんどん腕を磨き、打撃が良い選手という印象から脱出したいという。「うまい守備が目標ですから、打撃部門の首位打者、最多本塁打、最多盗塁より、ゴールデン・グラブ賞を獲得したいですね。」ファインプレーより、守備の安定感が求められると言って、「安定感があれば、どんなプレーでもファインプレーだ!」

 来年に向け、一軍スタートのような目標などを考えない。野球の世界にはルールがあって、そのルールに従って行こうと言っている。「プロに入ったばかりの時、この世界のことがあまりわからなかったが、だんだん慣れると、うまくなってきました。追いかけて追いかけて、頑張れば追い越すこともできると信じています。他の人が筋トレを10回やれば、僕は11回やります。毎日人より1回多くできれば、一年にどれぐらい上回ると思う? 人よりもっと努力しないと、勝つことができません。それことは、野球が僕に教えてくれたことです。」

 

王威晨Profile

生年月日:1991.07.03(26歳)

身長/体重:183cm/75kg

守備/投打:内野手/右投げ左打ち

経歴:中信兄弟(2015シーズン中~)