ドラゴンズのエース吉見一起が完全復活へまたひとつ確実に階段を上った。4月23日のヤクルト戦で今季3試合目の先発マウンドに上がり7回無失点で今季2勝目を挙げた。7回すべてのイニングで奪った三振の数は9個。これで開幕からの無失点記録を20イニングに伸ばした。
「やっぱりピッチャーはコントロールだなと思いましたね」と谷繁監督兼選手に言わしめるほど、この試合の吉見も要所で格の違いを見せつけた。初回にいきなり先頭打者の山田に二塁打を浴びて1死3塁のピンチを迎えたが、クリーンアップの川端と雄平をそれぞれ空振り三振とセンターフライに切ってとり無失点。4回には味方の好守に助けられた。自らの暴投で1死2塁としたところで畠山にライト前へ運ばれるも、右翼手・藤井の好返球で本塁封殺に。「あのプレーで乗っていかないといけない」と、6回は1死から連打を浴びて迎えた場面も雄平と畠山を自慢の制球力で料理した。
「ピンチはありましたけど焦ることもなく冷静に投げられたなと思います。ピンチの場面でもヤバいと思って投げるより、自分の中で整理して投げる方が違う結果がでることを体験しているので。今日は相手を見下して投げることができた。登板するたびに良くなってきている」と明るい表情を見せていた。
今季ここまでの吉見は登板した翌日に登録を抹消して最短で1軍登録が可能な中10日で登板してきたが、今回は登録を抹消しないことを明かした。中6日で巨人戦も考えられるが、やはり着実に段階を踏むためにも慣れ親しんだ本拠地ナゴヤドームで行われる5月1日のベイスターズ戦が濃厚とみられる。吉見が先発ローテーションの一角として機能し、エースとしての輝きを取り戻す日も近そうだ。
文:高橋 健二