昨季のリーグ王者が本領発揮!

3月25日にシーズンが開幕して、およそ1カ月が経過。多い球団ではすでに20試合を消化してきた中で、これまでの戦いを振り返りたい。
 開幕直後に好調なスタートを切ったのは高橋由伸新監督の下2年ぶりの優勝を狙うジャイアンツだ。開幕戦でエース菅野智之の力投で昨年のリーグ王者スワローズを倒すと、そこから新監督の球団タイ記録となる開幕4連勝を飾った。そのジャイアンツを首位の座から引きずり下ろしたのが、金本知憲新監督の率いるタイガースだった。4月5日からの今季初の伝統の一戦で2勝1敗と勝ち越すと、その翌日には首位奪取に成功した。
 迎えた先週、首位のタイガースは本拠地・甲子園で連勝スタートを切りながらも、14日の試合で4番の福留孝介が左太もも裏を負傷。続くドラゴンズ戦で今季初の3連敗を喫して順位を4位まで下げた。一方、先週の戦績が4勝1敗と最も調子を上げてきたのが5位に沈んでいたスワローズだった。秋吉亮、ペレス、ルーキ、オンドルセクの新たな強力リリーフ陣が終盤のイニングを無失点に封じて勝ち星を伸ばしてきた。優勝した昨季同様に勝利の方程式が確立されれば、これからスワローズの順位は上がってくるだろう。
 今週は、現在2試合連続完封勝利中のジャイアンツのエース菅野の投球に注目だ。次回の登板は22日に東京ドームで開催されるベイスターズ戦の予定。3試合連続完封はなるか。

 一方、パ・リーグで開幕ダッシュに成功したのはマリーンズ。開幕2週間で涌井秀章が3度先発し、その全ての試合で勝利を掴む獅子奮迅の活躍が光り、チームは7勝3敗1分けで首位に立った。次いで好スタートを切ったのがイーグルスだ。開幕前はエースの則本昂大に次ぐ先発の駒不足が心配されていたが、美馬学が3試合に先発して防御率1.90、釜田佳直が4試合に先発して防御率1.75と予想以上の活躍を見せ、4月10日に首位に立った。
 そして先週ようやく昨季の王者が本領を発揮し始めた。2ケタ得点を挙げた9日から勢いをつけ、6連勝で首位と1ゲーム差の2位にまで浮上。17日は9回裏に4点ビハインドから吉村裕基の3ランなどで同点に追い付き、延長12回にサヨナラ2ランで逆転勝ちを収めた。反対にイーグルスは先週から元気がない。12日から本拠地・コボスタ宮城で行われたマリーンズとの首位攻防で3連敗をすると、エース則本でも悪い流れを止められず、ホークスに惜敗。今シーズン好調だった釜田も連敗を止められずに5連敗を喫した。
 今週は21日に登板予定のマリーンズ涌井に注目だ。現在4試合に登板して4勝を挙げているパ・リーグの最多勝投手の涌井だが、前回のホークス戦では勝ち星は付いたものの、6回途中6失点でマウンドを降りた。今回のホークス戦はリベンジに燃えている。