ホークスが5度目の“交流戦制覇”

 6月16日のセ・パ交流戦の最終試合。ファイターズがタイガースに敗れたことで、ホークスの交流戦最高勝率が決定した。今年から優勝という制度はなくなったが、ホークスにとっては、実質5度目の交流戦制覇となる。

 

 翌17日、工藤公康監督が会見し、「正直うれしいです。選手たちがリーグ戦と変わらずに一生懸命に打って、投げてくれたおかげ。3連戦で常に勝ち越すという目標をもち、ベンチで元気で明るくやってきたことが勝ちにつながった」と語った。

 

 交流戦の成績を見ると、チーム打率.287、23本塁打、90得点はいずれも12球団トップ。クリーンナップを中心に「打ち勝つ野球」でセ・リーグの各球団を圧倒。個人成績では、柳田悠岐が打率.429、5本塁打、5盗塁の活躍。さらに、内川聖一、李大浩、松田宣浩の中軸打者がいずれも3割を超える成績を残した。

 

 「よく打ってくれたことで投手も楽に投げることができた。(投手に)1点、2点取られても、取り返してくれるという気持ちがあるから思い切って投げられたと思う。柳田はもっとホームランを打てたと思うが、あえてつなぐ気持ちでいってくれたことがクリーンナップの活性化につながったのではないか」

 

 最高勝率チームから選ばれる交流戦MVPは後日発表となるが、柳田が最有力候補であることは間違いない。さらに、工藤監督が大きな勝因として挙げたのが、キャプテン・内川と選手会長・松田の存在だ。

 

 「内川と松田が常に声を出してチームを明るくしてくれた。負けても『よし、次は行くぞ!』という前向きな雰囲気を作り出してくれたことが、12勝6敗という成績につながったと思う」と、2人のチームリーダーを讃えた。チーム一番の元気印である松田は「内川さんが声を出してくれるから、ボクも負けないように声を出す。開幕からずっと内川さんのキャプテンシーをバリバリ感じていますよ」と語る。

 

昨年までのようなセレモニーはないが、交流戦を制したことで全体練習にも今まで以上の活気が感じられた。ここからオールスターブレークまでのリーグ戦20試合が、工藤ホークスの前半戦の総決算となるが、リーグ戦の再開は首位を争うファイターズ、ライオンズとの6連戦。「いきなり大事な試合になるが、これまで同様、まずは3連戦で勝ち越すことを目指す」と語る工藤監督の大きな瞳には、大きな自信がありありと見て取れた。

 

文:藤浦一都